コットン テント 結露

コットンは結露に有効?テントを守るために知っておきたい基礎知識

断熱性のある高いテントを買ったから、これでずっと使えるぞ!

 

もしや、購入したのはコットン生地のテントでしょうか。コットンテントは使うほどに味が出て、メンテナンスがしっかりできれば20年は使える優れものですね。

さすがに20年も使ったことはありませんが、ずっと使えれば愛着も湧くし、高い買い物ですから大事にしたいものです。

でもメリットとは反対に、寿命を縮めるデメリットを持っているのがコットンテントです。吸水性が高く、メンテナンスを怠ると、雨や結露ですぐにカビが発生します。

結露の原因を理解して、自分のテントを守る対策を考えましょう。

 

コットンテントは結露に強いのか

結論は「コットンは結露せずに水を吸い取るという、なんとも難しい性質です。結露に耐性がある、という理由に惹かれる方は悩ましいですね。てっきり、結露が発生しない生地なのかと、勘違いしてしまいました。

結露に強いテント生地は、吸湿性があるということです。吸湿性とは、空気中の水分を吸い取る性質のことです。この吸湿性の特徴によって、コットンやポリコットンが結露に強いと言われているのです。

 

コットンのメリット・デメリット

コットンのメリット

  • 通気性:生地の細かい網目が空気を通すので、結露を起こしにくく、季節を通して快適に使えます。
  • 遮光性:生地が厚いため、遮光性が高く、夏は日差しから守ってくれます。
  • 断熱性:冬は暖かい空気を逃がさず、焚き火にも強いです。
  • 耐久性:ナイロンやポリエステルに比べて耐久性も高く、長期的なコストパフォーマンスを考える方におすすめです。

コットンのデメリット

  • 重量:幕がしっかりしている半面、厚くて重く、濡れるとさらに重くなります。
  • 値段:化学繊維テントよりも高額です。
  • 吸水性:コットンは吸水性も高く、濡れたままにしておくと、驚くべき速さでカビが生えます。

注意

他のテントに比べて、メンテナンスには要注意です。防水加工やカビ防止加工がされているからと、慢心していました。油断したのは、夏と秋冬の結露の発生しやすい時です。コットンが空気中の水分を吸い取っていたのに、そのままにしてカビを発生させてしまいました。

テントの乾燥についてはこちら

テントを乾かしたいけどコインランドリーはNG!?他の方法はある?

続きを見る

 

テントの結露はなぜ起こる

結露とは

温度差によって、物質を挟んで、空気中の水分が凝縮することです。空気は温度が高いと水分が多く、低いと少ないです。暖かい空気が冷やされることで、空気中の水分が保てなくなり、水滴になります。

夏に冷たい飲み物をコップに入れると、コップの表面に水滴が付く現象ですね。

結露は、温度差の大きい場所や、湿気が多く、空気が留まりやすい場所に発生します。テント内は空気が留まりやすく、密閉状態だと結露が起こりやすいです。出入口を締め切って本を読んでいたら、テントの壁が濡れていました。

テントで結露が発生すると、どうなる

結露が発生するのは壁だけではありませんよ。床にも発生します。「寝ていたら、床に溜まった水で飛び起きた」なんて笑えない話しです。結露でテントが濡れると、片付けるのも乾かすのも一苦労。

びちょびちょのテントを見た日には、帰り支度とメンテナンスの恐怖で、もう絶望です。

キャンプ場の終了時間に間に合わなかったり、すぐに乾かないからと放置したら、カビが発生したり。一度カビが発生してしまうと落とすのは大変です。そのまま放置してしまうと、撥水効果やUVカットの効果も薄れて、もう踏んだり蹴ったりです。

カビを落とすためにカビキラーを使うという記事があるのですが、結果は大失敗。生地の色やコーティングが抜けて、修復が不可能な状態にまでなります。自分でメンテナンスをされる方は、お使いになる商品の確認をよく行ってからにしましょう。

結露が発生しやすい環境

空気中の水分が多いと結露が発生しやすい環境です。季節や雨以外に、海や川、湖畔の近くでも水が蒸発して、空気中の水分が多いです。

注意

テントを設営する場所は、水場以外に地面が濡れている場所、湿気の多そうな木陰も避けるべきです。

テントに発生する夜露と結露

テントの外側についた水滴が「夜露」、内側が「結露」と思っておきましょう。夜露の原因は「放射冷却」によるものです。

放射冷却とは、昼に暖められた地面の熱が、夜に空気中に逃げていく現象です。昼と夜の気温差が激しい夏以外の時期は、夜露が発生しやすいです。

注意

ただし、高所は気温差が激しいので、夏でも夜露が発生しますよ。

 

結露対策は外側と内側の両方で

結露を起こさない方法は、テント内の温度と湿度を適切に保ち、外との温度差を作らないことです。いうのは簡単です。そんな完璧な環境が作れたら苦労しません。

入り口や窓を開けて、換気し続けるのも有効な手ではありますが、冬には厳し過ぎます。一時間もしないうちに諦めました。

たくさんのキャンパーさんたちが、今も結露への対策を講じています。実際に効果を発揮した、二つの方法を紹介します。

テントの上にタープを設置

かなりの効果的を発揮したのが、テントの上にタープを設置する方法です。組み立ては大変ですが、タープを設置した面の結露は格段に抑えられます。

テントとタープの間に空気の隙間ができることによって、テント内に結露ができにくい状態になったのです。もちろんタープでなくても、フライシートやブルーシートでも、隙間を作る形でしっかりと張れれば、効果があります。

初心者でもできるテント上のタープの貼り方はこちら

サーキュレーターで湿度調整を

結露は周囲の環境だけでなく、人の呼吸や汗で湿度が上がることでも発生します。

サーキュレーターは、冷暖房の効率を上げて、部屋の湿度を調節してくれます。これなら、テント内の空気を循環させて、テント内と外の温度差を少なくできます。買っておいた夏仕様のアイテムでも、結露の多い時期に役立ってくれました。

他にも簡単にできる結露対策はこちら

  • 除湿剤をテント内におく(大判除湿シートが効果大)
  • マスクをつける(しかし息苦しい)

結露を素早く拭き取るなら

吸水性の戻りがはやく、絞ってすぐに拭き取れる、マイクロファイバークロスがおすすめです。

出典引用:Amazon

 

結露に強いテントの構造

テントの構造を大きく分けると「シングルウォール」と「ダブルウォール」の二つがあります。

「シングルウォールテント」

生地1枚の構造で、設営は簡単。初心者向きです。しかし手軽な分、結露への耐性も耐久性もないため、宿泊や、悪天候の使用はやめておいた方がよいでしょう。

「ダブルウォールテント」

生地2枚の構造で、インナーテントとフライシートに分かれています。設営の手間は増えますが、シングルウォールと比べて結露への耐性があり、丈夫なので、宿泊するならダブルウォールをおすすめします。

ダブルウォールテントが結露に強い理由

ダブルウォールとはインナーテントとフライシートの二つを合わせたテントです。インナーテントはフライシートの内側に張るテント。フライシートは、インナーテントとの間に通気や通風のための空間を開けて張る、防水処理された外張りのことです。

テント本体に結露が発生するのを、防水処理されたフライシートが防ぎます。しかし外側のフライシートとインナーテントがくっついていると、夜露や結露に対して意味がありませんでした。選ぶ時には、二つの間に空気の層があるものを確認しておきましょう。

注意

シングルウォールより構造が複雑になった分、作業が増えて、荷物も増えます。でも快適に過ごすためにはダブルウォールがおすすめです。

 

コットンは結露に有効?テントを守るために知っておきたい基礎知識:まとめ

  • コットンテントは結露しにくいが、水分を吸い取る。
  • そもそも結露ってなに。
  • 結露対策はテントの外側と内側の両方でできることがある。
  • 結露に強いテントの構造を選ぶならダブルウォール

キャンプ中に発生する結露について、対策を考えるための基礎知識をまとめました。

残念ながら、結露を完全に無くすことは不可能です。テントに結露が発生する原因を理解して、対策を考えていきましょう。

スポンサーリンク

-コットン, テント, 結露

© 2024 テントの神様 Powered by AFFINGER5