なぜこんなことになるの!?事前に予防はできるの?
こんな悩みにお答えします。
今日は待ちに待ったキャンプ。ウキウキでテントの設営を始めたそのとき。。
「あれ、テントの生地がベトベトして臭い」といった経験をしたことはないでしょうか。
私も久しぶりのキャンプでテントを広げてみると「ベリベリ」という音がして、生地と生地がくっついていたことがありました。
私はこれを「ホワイトチョコレート事件」と呼んでいるのですが、誰かがホワイトチョコを落として、そのままにしていたのかと思うほど、白っぽくベタベタになっていたんです。
これ「加水分解」という現象なんです。初めて聞いたという方もおられるかもしれません。
では、いったいなぜ加水分解が起こるのか、事前に防ぐことはできるのか。
予防と対処法をご紹介して行きます。
目次
そもそも加水分解って何?
テントの生地がベタベタになる加水分解。なぜこのような現象が起こるのでしょうか。
テントの生地は防水性を持たせるために、ポリウレタンコーティング(PUコーティング)という加工がほどこされています。
このポリウレタンは水と反応し、分解する性質があります。テントの生地に水分が残っている状態で保管すると、この加水分解がおこってしまうんです。
生地がベト付いたり、白っぽくなったり、嫌な臭いがしたりするのは加水分解がおこっていることになります。
テントがベタベタするのは加水分解が原因
雨や霜、結露などの水分がテントに残ることが原因で、加水分解が起こります。生地がベタベタして、変な匂いがする。
生地が白っぽくなってる。このような状態になるのは加水分解によるものです。
加水分解の原因
- テントに残った水分によるもの
- 保管中の湿気によるもの
- 経年劣化によるもの
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テントの乾燥が不十分だったり、湿度の高い場所で保管していたりすると加水分解がおこりやすいです。
私も最初に購入したテントを物置倉庫に保管していたところ、見事にベタベタになっていました。おそらく湿気が原因だったと思います。
また経年劣化で加水分解が起こることもあり、これはある意味どうすることもできません。
使用年数や、使用回数によって劣化するスピードも違います。では、この加水分解を少しでも予防する方法はないのでしょうか。
加水分解の予防方法
加水分解を事前に予防する対策はあるのでしょうか。ご安心ください。
以下の対策をすれば加水分解の確率を下げることができます。
事前の対策
- テントをしっかり乾燥させる
- 風通しがよく、直射日光があたらない場所で保管する
- 高温多湿の場所を避ける
- 収納袋を少し開けておく
- 乾燥剤を一緒に入れておく
ポイントは水分を少しでも遠ざけることです。
私は「ホワイトチョコレート事件」があって以来、物置などには収納せずに、あまり使わない部屋のスペースで日の当たらない場所に置くようになりました。
少し邪魔なときもありますが、ときどき換気するように気をつけて保管しています。
キャンプ好きとしては、日常にキャンプ道具が目に入ると気分がいいので、案外アリかなと思っています。
しかし、これだけ気を付けているのに、もし加水分解してしまったらどうすればいいのでしょうか。
加水分解後の対策
ベトベトになった生地を復活させる方法は、完全に元の状態に戻りませんが、ベタ付きを緩和したり、撥水性を改善する方法はあります。
ただし、作業が少し大変なのと、生地を余計に痛めることもあるので気をつけてくださいね。
撥水剤 ポロンT
出典引用:Amazon
シリコン系の撥水剤になります。何か聞き慣れないコワイ薬品名に聞こえるのは私だけでしょうか。これをハケなどで上塗りします。
生地の状態にもよりますが、これを塗ってベタ付きが緩和されたという報告もあり、効果があります。
このポロンTは燃えやすい成分を含んでいるので、フライシートなど外側の生地に使用するのがいいでしょう。
ポロンTはテント補修が目的の商品ではないので、自己責任で試してくださいね。
重曹
出典引用:Amazon
重曹でベタベタする部分のコーティングを除去するという荒技です。
これをすると、その部分はただのビニールになるので、そこに先ほどのポロンTを塗って撥水性を補うというやり方もあります。
生地をリセットして、一からコーテティングしたい方には、重曹を使うといいでしょう。
リンレイ「ハイテクフローリングコート」
出典引用:Amazon
床用ワセリンワックスです。非シリコン系の成分で、これをベタ付く部分にコーティングします。
ワックスといえば、水を弾くイメージがあるので、なんとなく想像がつきますね。こちらもテント修復が目的ではないので、自己責任でお願いします。
という方は、専門で修復してくれるサービスもあります。
専門業者 きたじょう工房
加水分解による生地のベタ付きを軽減するサービスを提供しています。
その名も「ベタツキ軽減処理」。撥水加工とベタツキ軽減加工を同時に行ってくれます。
嫌な匂いも取れると評判です。私も本当に気に入っているテントが加水分解したら、一度お願いしてみたいと思います。
詳しくはこちら加水分解後にできる対処法を紹介しましたが、完全に復活するというわけではありません。
また特殊な液剤を使うので、テントにさらにダメージを与える可能性もあります。
私は防水スプレーくらいしか、やったことがないので少しハードルが高いような気もしました。
この厄介な加水分解。そもそも加水分解しないテントはないのでしょうか。
加水分解しないテント
加水分解の予防も大変だなと思った方もいますよね。私はものぐさな性格なので、毎回テントの手入れをする自信がないというのが正直なところです。
そこで、加水分解しない生地で作られたテントもあるのでご紹介します。
コットンテント
コットン素材でできたテントは加水分解しません。オシャレなデザインの物が多く、こだわりの強いキャンパーに指示されています。
出典引用:Amazon
私もいつかこのようなテントでキャンプをしてみたいです。
出典引用:Amazon
ヒルバーグ
スウェーデンのメーカー、ヒルバーグ。
こちらのテントで使用されている「ケルロン」という素材は生地自体に防水性能があり、加水分解の原因であるポリウレタンコーティングは施されていません。
また非常に強靭な素材で、引き裂き強度に優れているのが特徴です。
出典引用:Amazon
出典引用:Amazon
テントがベタベタする!?加水分解の予防と対処法をご紹介!:まとめ
- そもそも加水分解って何?
- テントがベタベタするのは加水分解が原因
- 加水分解の予防方法はどのようなものがあるのか
- 加水分解後の対策でテントは復活するのか
- 加水分解しないテントはあるのか
加水分解は長年使用していると、どうしても避けられない現象なので予防対策が必要です。
ポイントはテントをしっかり乾燥させてから保管すること。保管場所に気を配ることです。
テントを水分から守ってあげることで、加水分解を少しでも遅らせることができます。
お気に入りのテントを長持ちさせて、素敵な思い出をたくさん作ってくださいね。
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