テントの寿命については、表記されている使用可能な年数はあてにならないと思っておいた方が良いですよ。使う人の状況がそれぞれ違いますから。
テントの劣化速度は使用回数や環境、メンテナンスの具合によって差が開くものです。しかしメンテナンスとは乾燥だけを指すものではありませんよ。
湿気の少ない北国育ちの私も、加工処理に手を抜いて、カビを繁殖させましたから。
目次
テントの寿命を左右する加工劣化の原因4点
乾燥以外に、テントに備わっている撥水や防カビなどの効果を持続させる事も、長く使うためには必要な事です。加工がなくなったテントは盾を失ったも同じです。ではこの盾が劣化していく原因を上げていきましょう。
経年劣化は止まらない
メンテナンスをしっかり行っている状態であっても、テントを守る撥水などの機能は少しずつ低下していきます。雨や直射日光を浴びた際に受けるダメージはどうしようもないものです。
これは、メンテナンスを否定しているわけではありません。もちろん再度、撥水、防カビ加工などを行えば、テントは長く使えます。経年劣化を原因にあげてはキリがありませんが、これを踏まえて加工の劣化を考えていきましょう。
直射日光に当てない
何を言っているんだと思われるでしょう。コットンテントを乾燥させる際、設営したままキャンプ場で乾燥させたり、家に帰って日干しされる方もいらっしゃるはず。
私も家の庭で乾燥しています。カーポートなんて、おしゃれなものはありませんので。
みんなのWikipediaさんでも、「乾燥とは、熱を加えるなどして、目的のものから水分を除去し、乾いた状態にすること」とあります。しかしテントでは熱=日光とはいきません。
出典引用:Wikipedia
直射日光の紫外線が、テントの撥水性を劣化させてしまうからです。そんなこと言われても、キャンプは太陽の下で行うものです。陰干しができないなら、諦めて日干しにするか、ドライヤーで頑張るか。とりあえずは、乾燥の際にできるだけ風などの空気循環で行うように心がけるしかありません。
以下の内容は「カビを発生させないため」という前提条件が含まれます。なぜカビを発生させてはいけないのか。それはテントに備わっている効果を薄れさせる他、テントには関係ありませんが、体力や免疫力が低下している人の、病気を引き起こすリスクがあるからです。
常に乾燥した状態を保つ
コットンテントに限らず、重要なメンテナンスはやはり乾燥ですね。使用後も保管中も、しっかりと乾燥させておくことです。化繊タイプのテントよりも水分に弱いコットンテントのダメージは深刻です。テントが本来持っている機能が失われ、生地の劣化の原因に直結します。
とは言いつつ、乾燥状態を保つのには苦労しています。天気が私の都合に合わせてくれれば助かるんですが。
テントの乾燥方法については、以下の記事にまとめられています。
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テントを乾かしたいけどコインランドリーはNG!?他の方法はある?
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保管場所には注意を
コットンテントは防カビ対策がしてあっても、条件が悪い環境下ではカビが生えてきます。
例えば、玄関の土間や、倉庫の地面に直置きなんてしていると、湿気の多い時期に地面からの水分を吸って菌が繁殖してしまいます。
しっかり乾燥しておいたからと油断するのは禁物。油断してカビを育ててしまった私が言うのもなんですが。
私も倉庫に保管していましたが、梅雨が終わった後に広げてみてがっかりしました。手作りのトタン壁の倉庫で、通気性が良いこともあり、湿気にやられたのでしょう。
しまっている間に、カビは着々と繁殖を広げていました。
できるだけ地面から離れた場所や、湿気が発生しにくい場所に保管するのが最適です。置き場所がない方は、テントの収納の際、袋を少し開けて換気できる状態にしておくか、乾燥剤で湿度の上昇を少なくするのも手です。
参考
余談ですが、コットンテントに施されている加工は防水ではなく撥水です。販売店の表示で、防水と表示されていても、正しくは撥水加工です。防水は空気も水も通らないコーティングのことで、撥水は水をはじいて染み込みにくくするコーティングですから。撥水は通気性を残す状態なので、一定量以上の雨であれば生地に水分が染み込みます。
撥水加工を自分でやってみるなら
NIKWAXコットンプルーフ
出典引用:株式会社エバニュー
コットン生地用の撥水剤で、コットン、ポリコットンのタープ、テントなどの撥水処理に最適です。コットン生地専用の撥水成分で、しっかりと撥水できます。
希釈は水:撥水剤=9:1と、とても経済的。容量は300ml入っています。
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ただし、行う場合には撥水剤を行きわたらせるために漬けて置く場所や、脱水、乾燥ができる環境がなければなりません。私もコットンのタープで試してみましたが、撥水性はしっかりしています。ただ、漬け置く作業も浴槽サイズが限界で、脱水も洗濯機しかない状態です。テントの容量を考えると、自分でやるには厳しいものがあります。
絶対にやってはいけない
コインランドリーの脱水機を使おうとは思わないでください。
テントの加工処理をしてくれる専門業者がいますよ。
コットンテントのクリーニング店
テントのクリーニング業者はたくさんありますが、コットンテントを扱ってくれる業者はそう多くありません。同じテントといえど、生地の材質が違いますから。
価格も化繊テントより高額で、納期も長くなりますが、コットンテントの状態が気になる方は、診断も兼ねて頼んでみるのも良いです。メンテナンスがずぼらな私も、そろそろ業者さんにお願いしなくては。
テントクリーニング研究所
国内トップクラスでの撥水加工技術よる撥水性能と耐久性をうたい文句に、プロによる作業と仕上げ、カルテを作成しての診断まで行ってくれます。
対応加工
撥水加工、花粉防止、カビ防止加工、消臭加工
詳しくはこちらから
テントクリーニング.com
「キャンパー1.8万人が選んだ」をうたい文句にする、テントクリーニング店です。実績も多く、口コミでは仕上がりも、対応も丁寧とのこと。次にクリーニングを頼む機会があれば、ぜひお願いしたいです。
対応加工
撥水加工、除菌・抗菌加工、花粉防止、カビ防止加工、UV加工
詳しくはこちらから
頼む前には確認を
- やってもらいたい加工が、業者で対応していない場合があります。
- 使いたいときに戻って来ない。なんてことにならないように、納期を確認しましょう。
- クリーニング込みでなければ、加工処理を依頼できない場合があります。
- コットンテントの料金を掲載していない業者も多く、通常は1.5倍程ですが、問い合わせをして確認しましょう。
コットンテントは乾燥だけじゃダメなの?加工はどうすればいい?:まとめ
- テントの寿命を左右する加工劣化の原因4点
- 撥水加工を自分でやってみるなら
- コットンテントのクリーニング店
コットンテントはおしゃれで、多機能で、火にも強いと、キャンパーから指示される一方で、メンテナンスはプロレベルが要求される手ごわい相手です。
大事なテントを長く使うために、撥水、防カビなどの加工は持続させることを意識しましょう。