そんな疑問にお答えします。
結論を言いますと、キャンプにフライシートは必要です。
フライシート無しで、快適で安全・安心なキャンプは有り得ないんです。
はい、必要です。フライシート無しでは、想像以上の災難を被りますよ。
ただし、例外として、フライシート無しでキャンプに挑むパターンもあります。
何故フライシートはキャンプに必要なのか、また例外として必要ないのはどんな時なのでしょうか。
最後まで読んでフライシートへの理解を深めて、安全で安心なキャンプにして下さいね。
目次
フライシートとは?
テントに必要なシート類はいくつかあります。
その中でもフライシートは、インナーテントの上から被せて使う、テントの外観となるシートです。
いわば、テントの顔ですね。フライシートのデザインでテントの印象が決まると言っても過言ではありません。
まずは、フライシートがテントのどの部分かお解り頂けたでしょうか。それではより詳しく見ていきましょう。
フライシートとタープの違い
フライシートとタープは、素材は類似していますが、役割としてはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、タープは、型による違いもありますが、基本的には1枚の布状のものをポールで立てて設営します。
そして、その下は雨や直射日光をしのげるリビングのようなスペースとして利用できます。
つまり、タープは、野晒しスペースの屋根の役割ですね。
下記は代表的なタープの使用イメージです。このDODのタープは、ポール2本とロープを使用して設置するタイプです。
出典引用:Amazon
一方、フライシートは、専用のインナーテントに適合するように作られているという所に決定的な違いがあります。
そう、フライシートは、テントの屋根の役割。いえ、実際には屋根以上の役割を果たします。
タープをフライシート代わりにしているという人もいますが、やはりテント専用に設計されたフライシートを使った方が機能性を発揮しやすいです。
参考
我が家も、フライシートの設営をせず、まさにタープで代用したことがあります。
その日は不運にも、横殴りの小雨にやられてしまいました。やっぱり横着せずに専用のフライシートを使えばよかったと後悔した思い出があります。
フライシートはテントとセットで売っている
フライシートは、基本的にインナーテント含むテント一式のセットとなって売っています。
また、メーカーによっては、フライシートとインナーテントを別売りにしているモデルもあります。
初めてテントを購入するという方は、フライシートが付いているのかを念のため確認する必要があります。
フライシートの機能性は?
フライシートは、人がテント内で快適に過ごせるよう、雨風や紫外線、外気の影響を受け難くする役割を果たします。
具体的にどのような働きをしているのか、詳しく見ていきましょう。
防水・撥水
フライシートは防水性・撥水性に優れています。それを数値で表すため、いずれのフライシートにも対水圧が明示されています。
対水圧とは、生地の上に1cm四方の筒状の物を置いて水を入れて、どのくらいの高さまでテントの裏に水が染み出さないかという数値。
対水圧は1500mmが一般的なテントの基準値で、大嵐でもない限り雨が染み込んでくることはないでしょう。
2000mm以上となると激しい雨風に対する強度は上がりますが、その反面通気性は非常に悪くなるため夏用としては使いにくいでしょう。
参考
普通の雨傘の対水圧は、およそ250~500mm。雨傘から雨が染みだしてきた経験なんて殆ど無いことを考えると、フライシートの耐水性は非常に高いことがわかります。
結露によるテント内への被害を防ぐ
先ほど述べたように、防水性がよくなるほど通気性は悪くなっていきます。通気性が悪く換気ができない状態になると起こる現象が、テントの大敵、結露です。
テント内の湿った空気と外の温度差により結露ができてしまうと、インナーテント内がびしょ濡れになってしまいます。
しかし、外は寒いから換気したくないという場合もありますよね。
そこで活躍するのがフライシート。フライシートでインナーテントとの間に空間を作っておけば、結露ができるのはフライシートの内側です。そのため、インナーテントには結露が出来にくくなります。
撤収の際にフライシートをしっかり乾かさなければならないという手間はありますが、インナーテントがびしょ濡れになるよりははるかにマシです。
ポイント
フライシートのベンチレーションを開けておけば、フライシートの換気も可能です。
ベンチレーションとは「換気」のこと。つまり、テントでは換気窓にあたる役割をする部分です。
ちゃんと雨風がしのげるように、大抵のものは傘が被さったような仕様になっていますよ。
こちらはベンチレーションのあるテント、コールマンのエクスカーションティピーの例です。
フライシートのテント上部の穴がベンチレーションです。
出典引用:コールマンオフィシャルオンラインショップ
出典引用:コールマンオフィシャルオンラインショップ
暑さ対策【紫外線カット】
夏には、フライシートは暑さ対策にもなります。
最近のフライシートは紫外線カット加工の施されているものが多くあります。
日差しから受ける熱を跳ね返すことで、涼しさを感じることができます。
しかし、フライシートは換気しないと通気性が悪くなるので、テント内が暑くなるのは想像できるかと思います。
ですので、熱い空気がテント内にこもってしまっている際は、同時にフライシートの換気もするとより涼しく感じられますよ。
寒さ対策【スカート付き】
フライシートは、冬の寒さ対策にもなります。
フライシートがあることで、インナーテントとの間に空気の層ができるので、そこで断熱効果が発揮されます。
注意ポイント
テントを張る際、フライシートとインナーテントがくっついている箇所ができないように注意してくださいね。空気の層ができなくなるうえに、結露がインナーテント側にできてテント内が濡れてしまいます。
また、スカート付きのフライシートならより保温効果を期待できます。
スカートとは、フライシートの裾のひらひらしてる部分で、テント本体と地面の隙間をふさぐことができます。これにより、テント裾からの冷気や雨風の侵入を防ぐことができます。
スカート付きフライシートのテントはこのようなデザインです。まさに、洋服のスカートのようですね。
出典引用:Amazon
フライシート無しでテントを使うこともあるのか?
フライシートはどんな季節・気候でも、必ず持って行った方がいいことは理解できましたか?
しかし、そんな万能なフライシートがなくてもOKというシチュエーションもあります。
それはいったいどんな時なのでしょうか。
インナーテントだけで過ごすキャンプもアリ
フライシート無しで、インナーテントだけで過ごすキャンプにもメリットがあります。
どんな時にフライシート無しにするとメリットがあるのでしょうか。
①夏
窓を全開にすれば通気性が良くなります。インナーテントだけにすることで、熱がこもらず、快適にキャンプができます。
とくに天気が曇りならフライシートによる紫外線カット効果も必要ないので、こういう場合にはフライシート無しでも良いですね。
②時間がない時
インナーテントのみの設営にすれば、設営撤収の時間の短縮になります。
例えば、ファミリーでキャンプの際、子供が小さければ設営を待っていられなくてぐずるかも知れません。
フライシートの機能性よりも、時間短縮を優先する方は省略してもいいですね。
③乾かす手間をなくしたい時
フライシートが濡れてしまったら、乾かすのは大変です。
乾かすには場所も労力も必要になるので、思い切ってインナーテントだけを犠牲にしてお手入れの手間を省くという考えですね。
注意ポイント
ただし、いずれも当日の天気次第ではフライシートが無いと、キャンプ継続が厳しくなる場合もあるので、天気予報はしっかり確認しておきましょう。
フライシートが無いテント
実は、もともとフライシート無しのテントも存在します。フライシート無しのテントをシングルウォールと呼びます。
シングルウォールのテントは、一体どんな時に使うのでしょうか。
①登山用
登山といえば、険しい山道を長い時間歩きます。食料やその他の荷物をすべて担いでいかなければならないので、テントも極限まで軽くしたいもの。
そこで考えられたのがシングルウォールテントです。フライシートをなくし、とにかく軽く作られています。
こちら、商品の一例でプロモンテのアルパインテントです。重さたったの1.28㎏。2人収容できます。
出典引用:Amazon
②ピクニック用
おもちゃに近い簡易的なテントです。実際におもちゃのテントを使用してピクニックしている人もいますよね。
ピクニックのほか、プールサイドや海など日帰りでレジャーを楽しむ場合に活躍します。
ワンタッチで設営できるものもあったり、デザインもかわいいものが多いですよ。
こちらは商品の一例、キャプテンスタッグのワンタッチテントです。
参考
実は我が家にも、雑貨屋で購入した3000円程度のおもちゃのテントがあり、大活躍しています。
通常はリビングに設営しておいて、子供たちと一緒に遊んだり、時々ボールを大量に入れてボールプールにしています。
また、広い公園に遊びに行く際も、このテントを日よけ且つ荷物置き場として活用しています。
我が家以外にも、何軒か小さいテントを公園で使っている人を見かけますよ。
もちろん、実際のキャンプでサブのテントとして持っていくのもアリです。子供も喜びそうですね。
小さいお子様がいるご家族には1つあると便利かもしれませんね。
テント用フライシートの役割を解説!無くても大丈夫って本当?:まとめ
フライシートは、とても機能性が高く、キャンプには欠かせないものであることがわかりました。
まとめ
●防水性・撥水性に優れている
●結露による被害を防ぐ
●暑さ対策になる(紫外線カット)
●寒さ対策になる(空気の層、スカート)
●無しで過ごす場合もあるが天候には十分注意する
フライシートは、設営は大変にはなりますが、キャンプ時の安全性・快適性には代えられません。
フライシートを必ず設営して、楽しく安全で快適なキャンプにしましょう。