ストーブ テント 一酸化炭素

意外と知らない?テントでストーブを使うときの注意点を理解しよう

テント内でストーブを使う予定ですが、少し怖いです。どんな注意点があるか全部教えてください。

テント内でストーブを使う際は、火事が怖いというイメージをお持ちではないでしょうか?

実は火事の他にも一酸化炭素中毒という危険性も秘めているのです。

中毒症になってしまうんですか!どんどん怖くなってしまいました。

そうです。火を扱うということは危険と隣り合わせ

とは言っても、ストーブが必要な寒い時期にもキャンプをやりたい、というキャンパーの意気込みも大切にしたいもの。

今回は、そんな真冬でもキャンプを楽しみたいあなたに、ストーブを使う際の注意点をまとめましたのでしっかり最後までご覧ください。

この記事はこんな人におすすめ

●真冬でもキャンプがやりたい人

●ストーブの危険性をまだよく知らない人

●キャンプでストーブを使うのが初めての人

 

注意点①一酸化炭素中毒に注意する

一酸化炭素中毒という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

一酸化炭素中毒は、命を奪うほどとても危険な中毒症なのです。

一酸化炭素中毒の症状

一酸化炭素中毒とは、いったいどんな症状が起きるのでしょうか。

それは進行状況によって大きく異なります。では、初期から順に見ていきましょう。

初期に起こる症状

一酸化炭素中毒で初期に起こる症状は、かぜや疲れの症状によく似ています。

軽い頭痛、顔のほてり、眼がチカチカする、めまい、意識がぼんやりする、視力障害などがあります。

かぜや疲れに似ているとは言っても、このような症状と馴染のない人も多いでしょう。

「何かおかしい」と思ったら一酸化炭素中毒を疑いましょう。

体験談

私はこの状態を、ストーブの使用中に体験したことがあります。

ほんの数秒前まで普通だったのに、パッと前を向いた瞬間にめまいに襲われました

元気だったのにあっという間に進行する一酸化炭素中毒、本当に恐ろしいです。

進行すると起こる症状

初期症状に気付かず、または適切な対応ができずに一酸化炭素中毒が進行すると、次のような症状が起きます。

頭痛、胸痛、脱力、運動障害、不整脈失神、血圧低下、錯乱などが起きます。

ここまで症状が進んでしまうと、自分で動くことが難しくなってきます。

重症化すると起こる症状

更に症状が進んでしまうと最終的に、昏睡、けいれん、意識消失から呼吸停止が起きます

本当に恐ろしいですね。意識もない状態なので異変を訴えることさえできません。

もし他人がこのような症状を起こしていたら即救急車を呼びましょう。

重症化に伴う後遺症

一酸化炭素中毒が重症化したあと、後遺症が残ることがあります。

数時間後に回復したとしても、数週間後に再び、体調不良が現れる場合があります。

ふるえ、記憶障害、視力障害、運認知機能の低下、精神障害として人格変化、物忘れなど。

一度一酸化炭素中毒が重症化してしまった場合は、回復後も長期的な注意が必要となります。

一酸化炭素中毒の原因

初期症状からすでにとても恐ろしい一酸化炭素中毒症。

いったいどのようなことが原因で起こるのでしょうか。

一酸化炭素中毒症は決して防げないものではありません

しっかりと原理を理解し対策を行えば、安全にストーブを使用することができます。

一酸化炭素中毒が起きる外的な原因

ガス機器や石油機器が正常な燃焼を行うためには、充分な空気(酸素)が必要です。

しかし、閉めきった環境で継続して燃焼を続けることにより、酸素が不足してしまうことで不完全燃焼が起こると一酸化炭素が発生します。

その状態で長時間過ごすことにより一酸化炭素中毒が進行していきます。

一酸化炭素中毒が起きる人体的な原因

一酸化炭素が血中に大量に入ると、全身に必要な酸素量が足りなくなります。

一酸化炭素は、酸素の250倍も赤血球とくっつきやすいです。

のため、赤血球が酸素の代わりに一酸化炭素とくっついてしまい、全身へ十分な酸素を運べなくなります

また、一酸化炭素は無味無臭であるため、発生に気づきにくいのも中毒症になってしまう一因です。

一酸化炭素中毒を防ぐ方法

一酸化炭素中毒を防ぐ方法はとにかく換気をすることです。

一酸化炭素をなるべく早く追い出し、燃焼で使った空気(酸素)を外から補給するためには換気する他ありません。

そのためには、寒いからと言ってテントを完全に閉め切ってしまうのは絶対にやめましょう

また、換気する箇所は1か所だけでは空気の流れを作ることができないので、必ず2か所以上開けましょう。

ポイント

ポイントは、テントの最も高い位置の換気窓は必ず開けることです。

一酸化炭素は空間の高い所へ溜まっていくので、そこから逃がしていけるのです。

高い位置は後で開けにくいので、テントを完全に立てる前に先に開けておくのを忘れないようにしましょう。

 

注意点②火事に注意する

火を扱う際は、火事を起こさないよう充分すぎるほど気をつけることが大切です。

たとえ小さな火からでも、燃え広がれば被害の大きさは計り知れないほどになります。

当日は、油断せずに下記の内容を一つずつチェックしましょう。

ストーブの近くに物を置かない

テント内の物に引火することを防ぎましょう。

ストーブからは最低でも50㎝以上は何も置かないようにしてください。

また、ものによっては何㎝以上離れるように注意書きが書かれているので、改めてお手持ちのストーブの取扱説明書を確認しましょう。

ストーブを置く場所に気をつける

テント内の人通りが多い場所に置いてしまうと、それだけ接触するリスクは高くなります。

また、ランタンや洗濯物をぶら下げている場所の下に置くことも危険です。何かの拍子に物が落ちてきたら大変です。

テント内で、最も安全と思える場所をよく考えてストーブを置くよう心掛けてください。

体験談

寒くて着こんでかさばっていると、周りに多少触れても気づかないこともします。

先日、ズボンをランタンスタンドに引っ掛けて倒してしまうという惨事に。

ランタンがストーブの上に落ちてしまったらと思うとぞっとします。

ストーブなどの火器は、安全な場所に設置することが本当に重要です。

ストーブの使用中は離れない

テント内にストーブを点けたまま長時間目の届かないところへ行くのは絶対にやめましょう

誤って動物や子供が入って来てしまうこともなきにしもあらず。

また、突然天候が変わって強風が吹き始めることもあります。

そんな状況になってしまったら、火の元は何が起きてしまうか分かりませんよね。

長時間離れる場合は、手間でも毎回ストーブを消しましょう

 

注意点③灯油をこぼさないように注意する

灯油をこぼしてしまっても、それだけで引火することはありません。

灯油の引火点は40度以上です。そう簡単に燃えることはないとはいえど、火事の原因がそこにあるわけです。

また、灯油が染みついてしまうと臭いも非常にやっかいで、気分が悪くなってしまうことも。

灯油をこぼしてしまった際には、適切な処置をして安全を確保しましょう。

こぼしてしまう原因

灯油をこぼしてしまう原因はいくつかあります。

原因

  • 灯油または灯油の入ったストーブを車で運ぶ際に、車内の揺れでこぼれてしまう。
  • 給油の際に誤ってこぼしてしまう。
  • ストーブを強い勢いで倒してしまう。

などがあげられます。いずれも注意すれば避けられることです。

ストーブにこぼしてしまったら

ストーブ本体に灯油をこぼしてしまったら、まずはすぐにストーブの火を消しましょう

引火してしまったら火事につながってしまうからです。

先に灯油を拭きとらなければ、と思ってしまうかも知れませんが、先に火を消せば引火は防げます

とっさの判断を誤らないように注意しましょう。

布製のものにこぼしてしまったら

テントに敷いていたカーペットや、車内の敷物にこぼしてしまう事は多いでしょう。

まず最初に行うのが換気です。とにかく窓を開けて、こもった臭いを全て外に出してしまいましょう。

その後の対応は下記の通りです。

布製に灯油をこぼした場合の処理手順

①灯油を新聞紙やタオルで吸い取る。(水拭きはNGです)

②こぼれた場所に重曹や粉洗剤をまき、拭き残した灯油と匂いを吸着させる。

(重曹や粉洗剤がなければ、小麦粉でも代用可能です)

③しばらく時間を置き、掃除機で吸い取る

④こぼした箇所を雑巾でしっかり水拭きする

⑤換気をすることで、拭き残した灯油の気化を早める

土や草の上にこぼしてしまったら

キャンプ中なら草や土の上にこぼすことも多いでしょう

屋外で引火し燃え広がってしまっては、周りの様々なものを巻き込む大惨事になりかねます。

まずはその場で水を使って灯油を流しましょう

すぐに水がない場合は、土をかぶすのも有効です。

土をかけておくと、臭いが外に漏れるのを防ぐため、臭い対策になります。

 

注意点④火傷(やけど)に注意する

キャンプでは、ストーブのほかコンロで火を使う際も火傷の危険性があります。

基本的な火傷に対する注意点や応急処置は、参加者全員が抑えておくと良いです。

ストーブに近づけない工夫をする

そもそも火や熱を発するものに近づかなければ火傷にはなりません。

物理的に近づけなくなる工夫をしましょう。

ストーブガードを使用する

出典引用:Amazon

ストーブを囲い込むような柵(ストーブガード)がありますので、これで囲めば直接ストーブに触れられません。

結構大きいのでテント内が狭くなってしまうのがデメリットです。自分のテントのサイズに合うものを選びましょう。

また、ストーブガードは、ストーブ以外の危険物を囲っておくなどの有効活用もできます。

1つ持っておけばご家庭でもいろいろと利用できるので、あって損はないですよ。

便利メモ

我が家は夏になると、これを扇風機を囲って使っています。

子供が指を入れてしまうをの防ぐことができるからです。

また、汗で塗れた服をひっかけて乾かすこともできるので一石二鳥です。

テーブルでストーブを囲む

出典引用:Amazon

囲炉裏(いろり)テーブルという、BBQコンロを囲んで食事をしやすくするキャンプ用品があります。

こちらを、BBQコンロではなくストーブをテーブルの中心に置くという使い方もあります。

こうすることで、直接ストーブに触れにくくなり、火傷防止になります。

テーブルはキャンプでは必ず使うものですし、このように2wayで使えるアイテムを賢くそろえていきましょう。

火傷をしてしまったら

もしも火傷をしてしまったら、落ち着いて正しい処置をしましょう。

下記のポイントを抑えて応急処置を行いましょう。その後、医療機関できちんと診てもらいましょう。

流水などですぐ冷やす

まずはすぐに流水で、最低5分患部を冷やします。冷やすことにより火傷が深くなるのを防ぎ、痛みを和らげることができます。

体や顔などで直接水をかけるのが難しい場合は、濡れたタオルやアイスノンで冷やしてもOKです。

注意ポイント

服を着た部分をやけどした場合は、服の上から水をかけて冷やします

あわてて無理に服を脱がせると、皮膚がめくれたりするので注意。

水泡(すいほう)を破らない

やけどにより水ぶくれ(水疱:すいほう)ができる場合がありますが、自分で破らないようにします。

正しい対応をしないと跡が残る原因になります。

自己判断で薬を使わない

火傷をしてすぐに自分の判断で軟膏や消毒液を使うのはやめましょう

その後の病院での処置の妨げになる場合があります。

体験段

私も大火傷したことがありますが、早めに病院で診てもらったためあっという間に治り、跡も残らずきれいになりました。

逆に、今までの軽いやけどは、放って置いたせいかずっと跡が残ってしまっています。

素人判断でよけいなことをせず、すぐに病院で診てもらうのがやはり一番のようです。

低体温症に気を付ける

幼児や子供は体表面積が小さいため、広範囲を冷やし過ぎると低体温症をおこすことがあります。

とくに流水処置が難しく保冷剤を使用する場合は、体調を観察しながら行ってください。

便利アイテム

出典引用:Amazon

このような形の氷のうはご存じでしょうか。

火傷の際に、流水処理後もずっと痛くて冷やしたい場合は氷のうを使うのもありです。

巾着のような形をしたタイプで、氷を入れて使います。

氷なのである程度時間がたてば溶けるので、低体温症になりにくいです。

夏の熱中症対策にも使える優れものです。

あまり痛くない場合も油断しない

一般的に深い火傷より、浅い火傷のほうが痛みは強く、深いときはあまり痛くないときがあります

明らかに火傷をしたはずなのにあまり痛くないという場合は要注意です。

痛さに関係なく、火傷をしたと思ったら流水で冷やしましょう。

 

意外と知らない?テントでストーブを使うときの注意点を理解しよう:まとめ

自宅や会社では、冬はエアコンや床暖房の利用が多く、ストーブのない環境が増えています。

ストーブは昔ながらの暖を取るアイテムではありますが、実際に使ったことがないという人も多いと思います。

そのような人がキャンプという場で初めてストーブを扱うとなると、事前知識なしでは危険です。

今回の内容をしっかり頭に入れて、安全な冬キャンプにしましょう。

スポンサーリンク

-ストーブ, テント, 一酸化炭素

© 2024 テントの神様 Powered by AFFINGER5